訪問看護がしんどいと感じる瞬間10選!現役訪問看護師が解説します

地域医療の要として注目される「訪問看護」。

やりがいのある仕事ですが、その一方で「しんどい」「辛い」「続けられるか不安」と感じる瞬間も多くあります。

実際に現場で働く訪問看護師は、日々どんな困難に直面しているのでしょうか?

本記事では、現役訪問看護師の視点から「訪問看護がしんどいと感じる瞬間10選」をご紹介します。

これから訪問看護を目指す方も、今まさに悩んでいる方も、ぜひ参考にしてください。

 

訪問看護がしんどいと感じる瞬間10選

訪問看護は、病院看護とは異なる環境と責任が求められます。

以下では、多くの看護師が実際に「しんどい」と感じやすい10の場面を具体的に解説します。

 

1. 天候が悪い中での移動がつらい

訪問看護は「移動」がつきもの。特に雨・雪・猛暑・強風など悪天候時の移動は、体力的にも精神的にも大きな負担です。カッパを着ての訪問や、車の運転に神経を使う日々に疲弊する看護師も多くいます。

 

2. 一人で判断を迫られるプレッシャー

病院と違い、訪問先では看護師がたった一人で判断を下す場面が多いです。急変時の対応や、家族からの質問、ケア内容の調整など、「自分で決める責任」が重くのしかかります。これにストレスを感じて離職を考える人も少なくありません。

 

3. 家族対応が難しいケースがある

利用者本人よりも、ご家族との関係性に悩むことも多いです。「無理な要求」「感情的な発言」「他サービスとの連携不足」など、家庭環境が複雑な場合には、看護以外の部分で疲弊することがあります。

 

4. 書類業務が想像以上に多い

訪問看護は記録や計画書、報告書などの書類業務が非常に多い職種です。1回の訪問ごとに詳細な記録が求められ、勤務時間外に残って記録を書く看護師もいます。「看護よりパソコン業務が多い」と感じてギャップに悩むケースもあります。

 

5. オンコール対応で常に気が休まらない

オンコール体制のあるステーションでは、夜間や休日も電話や緊急訪問に備える必要があります。寝ていてもスマホの音に敏感になったり、外出が制限されたりと、生活の自由度が下がることも。慢性的な緊張状態が続くことで「しんどい」と感じやすくなります。

 

6. タイムスケジュールがタイトで休憩が取れない

訪問件数が多い日には、朝から夕方までトイレも行けず、昼食も車中で5分ということも珍しくありません。渋滞や訪問延長が重なると、スケジュールはすぐに崩れ、体力と集中力の消耗が激しくなります。

 

7. サービス担当者会議や多職種連携が煩雑

定期的に行われるサービス担当者会議では、利用者を巡る関係者(ケアマネ、PT、福祉用具、主治医など)と意見をすり合わせる調整力が求められます。人間関係や専門職間の意見の相違に板挟みになると、精神的にかなりの負担となります。

 

8. 終末期や看取りへの対応が続くと疲れる

訪問看護ではがん末期や老衰などのターミナルケアに関わる機会も多く、連続して看取りに立ち会うと「心が追いつかない」「気持ちが沈む」という声もあります。死に向き合う現場だからこそ、セルフケアの意識も必要です。

 

9. 運転業務のストレスが地味に大きい

訪問看護師は毎日数十キロ単位で車を運転するため、運転へのストレスも無視できません。交通状況、狭い道、駐車場がない住宅など、神経を使う場面が多く、慣れない新人ほど疲れやすい要因の一つです。

 

10. 一般の人から仕事内容を理解されにくい

「病院と違って楽そう」「ただおうちに行ってるだけ?」など、訪問看護の実態を知らない人から誤解されやすいこともあります。専門性や責任の重さが伝わらず、モチベーションが下がってしまうと感じることもあるのが現実です。

 

訪問看護はしんどい。でもそれ以上のやりがいもある

訪問看護は確かにしんどい部分もありますが、それ以上に利用者の暮らしに寄り添い、感謝されるやりがいの大きい仕事でもあります。

一人ひとりの人生に深く関われることや、在宅での安心を支えられる実感は、病院勤務とはまた違った達成感を与えてくれます。

また、慣れてくれば以下のような働きやすさも感じられます。

  • 病院勤務より自由度の高いスケジュール

  • 人間関係のストレスが少ない(1対1対応が中心)

  • 体力的負担が減る(夜勤がないなど)

  • 訪問中は看護師の判断で柔軟に動ける

「しんどい」と感じた時は、それを乗り越えるためのサポート体制や工夫(チーム連携、記録の効率化、オンコール手当の充実など)を活用することが、長く続けるカギになります。

 

まとめ

訪問看護師として働く中で「しんどい」と感じる瞬間は誰にでもあります。

天候、移動、判断の重圧、家族対応、書類業務、オンコール対応など、挙げればキリがありません。

しかし、それらの困難は「人の生活に深く関わる」ことの裏返しでもあります。

自分だけが大変なのではなく、多くの訪問看護師が同じような悩みを抱えていることを知るだけでも、少し気が楽になるかもしれません

訪問看護に興味がある方も、今まさに現場でがんばっている方も、「しんどさ」と「やりがい」の両方を知ったうえで、自分らしい働き方を見つけてください。

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