今回は2021年介護報酬改定の話をさせていただきます!
目次
2021年介護報酬改定は、原則2割負担は見送り!?
以前、話題に挙がりました「介護保険サービスの自己負担が原則2割に?」という案ですが、介護保険の原則2割負担は見送りの可能性が高くなってきました。
令和元年12月27日に出された「介護保険制度の見直しに関する意見」においては、2割負担の利用者の拡大などの給付費の伸びを抑制するための施策はほとんど盛り込まれませんでした。
不満の意見は以下のようなものがあったようです。
- 「利用者負担について、入口の規制を強化することは反対」
- 「自己負担割合の変更は高齢世帯への影響が大きい」
- 「利用者負担を原則2割負担とすることは、制度の持続可能性の確保のためであったとしても、生活、介護が立ち行かなくなることは明らかであり認められない。」
- 「まずは業務効率化やICTの導入、補足給付の見直しなど、今できる工夫を行った上で見直しを行うべき。」
- これまでの2割、3割負担の導入は高齢世帯に大きな影響を与えており、「一定以上所得」の判断基準の見直しについては利用者の生活実態も踏まえて慎重に検討すべき。
しかし、2割負担に対する積極的な意見もあったようです。
- 「社会保険料の負担増により中小企業や現役世代の負担は限界に達しており、制度の持続可能性を確保するため、見直しは確実に実施すべき。」
- 「将来的には利用者負担の原則2割化といったことも議論していくことが必要。」
- 「負担する能力のある人は負担するべきであり、見直しを推し進めるべき。」
- 「制度の持続可能性を担保していくためには、給付と負担のバランスがしっかりと確保されることが必要。」
これらの意見を考えると、2割負担者の拡大も時間の問題!?かもしれませんね!
65歳以上・70歳以上・75歳以上を3割・2割・1割と段階的に自己負担金額を下げていってみてはどうか?という意見もでていました!
高額介護サービス費は改定される方向!?
一方、高額介護サービス費に関しては、改定が行われる方向で動いているようです。
「年収770万円以上の者と年収約1,160万円以上の者について、世帯の上限額を現行の44,400円からそれぞれ93,000円、140,100円とする見直しを行うことについて、概ね意見の一致を見た。」
という意見が挙がっております。
さらに、改定に伴い、以下のようなことに注意が必要との意見交換もされております。
見直しを行う際には、負担が増える方に丁寧に説明を行い、理解を得ることが重要である。
- 国や自治体においては、介護サービス利用者に説明を行うこととなる事業者の負担も踏まえ、丁寧に相談を受ける体制を整えるとともに、見直しの趣旨や内容について丁寧に周知広報を行うことが必要である。
- 高額介護サービス費の見直しについては、介護サービス利用者の負担増となることが懸念され、扶養家族がいるケースもあり、見直し後の影響について調査を行うとともに、負担能力を踏まえた議論が必要との意見もあった。
これらの意見にもありますように、制度が変わった際に利用者さんに対して丁寧に説明できることが訪問看護ステーションで働く看護師、リハビリ専門職には求められているかもしれませんね!
詳しくは、令和元年12月27日の社会保障審議会介護保険部会「介護保険制度の見直しに関する意見」の資料をご覧ください。
P.S. 中央社会保険医療協議会 総会(第449回)で令和2年診療報酬改定についての情報が更新されました。
自己負担が原則2割は時間の問題です。在宅医療を推進している中、自己負担増によりサービスが利用者さんにとって受けにくくなる可能性があります。今の内から、最低限の訪問で利用者さんのニーズを満たすことが出来るような看護の質の向上を求められています!