令和3年4月15日に、財政制度分科会が開催されました。
その中で、「介護サービスの自己負担が原則2割!?」という話も挙がりました。
今回は、介護サービスの自己負担についてお話をしたいと思います。
目次
介護サービスの自己負担割合の現状
介護サービスの自己負担割合は、以前は一律で「1割」でした。
しかし、2015年8月に「2割」の者が生まれ、2018年8月には「3割」の者が誕生しました。
現在の介護サービスの自己負担割合の利用者負担の区分率は下記の通りです。
- 92%が1割負担
- 5%が2割負担
- 4%が3割負担
年齢階層別の被保険者の見通し
保険料負担者である40歳以上人口は、介護保険創設以来増加してきましたが、2023年をピークに減少し、あわせて40~64歳の若年者世代の支え手の割合が減少していくことが見込まれます。
一方で、要介護認定率や一人当たり給付費が高い75歳以上の高齢者は2030年頃まで増加し、その後も85歳以上人口が増加していくことが見込まれます。
こうした中で、「介護保険制度の持続可能性を確保するためには、利用者負担の更なる見直しをはじめとした介護保険給付の範囲の見直しに引き続き取り組む必要」と言われています。
そこで、現在検討されていることが下記のような案です。
下記のグラフは、『一人当たりの給付費(月額)』を示しています。
たとえば、90歳以上の場合は要介護認定率は73%で一人当たりの給付費は12.0万円です。
これから更に少子高齢化が進むとなりますと、介護保険制度の持続可能性を確保するためにも、自己負担額の引き上げは仕方のないことかもしれませんね。
訪問看護ステーションはどう対応すれば良いのか?
全ての介護サービスが共通になりますが、「もし自己負担額が原則2割になった」ということを考えてみましょう。
そうすると、下記のようなことが予想できます。
- 料金がUPするため余計なサービスは使わなくなる。
- 回数を制限することも考えられる。サービス利用が慎重になる。
「1割→2割」になるということは、料金が倍になるということです。
当然、皆さんお財布の紐が固くなるはずです。
数年間同じような訪問看護からのリハビリをやっていたら、「もう来なくていいわ」となるかもしれませんし、状態把握のみのケースに関しては「回数を減らして欲しい」となるかもしれませんね。
そのために、今からでもできることはたくさんあります。
例を挙げると下記の通りです。
- 地域やケアマネジャー等に訪問看護の必要性を周知する。
- 訪問看護、訪問看護(リハビリ)の質を上げる。
- 医療機関や他サービスとの連携を強化する。
- 中重度者を受け入れられる体制を整備する。
介護保険制度の持続可能性を確保するためにも、自己負担額の引き上げはいずれ必ずあります。
その時に地域から必要とされる訪問看護ステーションを作るために、今のうちからコツコツとできることを取り組んでいきましょう!