在宅で使える福祉用具ベスト3!福祉用具専門相談員が解説します

訪問看護師として働く時に在宅で使える便利な福祉用具って、どんなものがあるの?

 

訪問看護では、様々な身体状況の利用者さんに対応するために必要な時には福祉用具に頼ることが必要です。

では、訪問看護師にとって便利でおすすめな福祉用具とはどんなものがあるのでしょうか。

今回は、訪問看護の在宅現場で使いやすいおすすめの福祉用具をご紹介します。

訪問看護に従事したばかりの看護師さんはもちろん、すでに訪問看護に従事している看護師さんもぜひ参考にしてください。

 

在宅で使える便利な福祉用具とは?

 

訪問看護では、基本的に1人で訪問先に行き、利用者さんを介護・介助します。

そのため、訪問看護師と利用者さんの体格差などがあると、訪問看護師が無理をしながら介護・介助しなければならないという場面に出会うことがあります。

その介護・介助が腰痛や膝痛などにつながることもあり、訪問看護師として働いていく上ではそういったことを予防することも大切です。

そのためにはどのような福祉用具が使えるのでしょうか?

 

1.スライディングシート・スライディンググローブ

 

寝たきり状態の人の寝返り・起き上がり・移乗の介助や臥位へ寝た状態で姿勢を整える際に使えるのがスライディングシート・スライディンググローブです。

介助量が多い人は福祉用具のレンタルでスライディングボードをレンタルしている利用者さんもいるかと思います。

そういった場合はレンタルのものを使用すればいいですが、ない場合用に看護師が1人1つ持っておくと便利です。

また、スライディングボードは大きく、持ち運びが困難ですが、スライディングシートやスライディンググローブは折りたたんでバッグに入れることが可能ですし、ものによってはディスポーザブル(使い捨て)のものもあります。

訪問バッグに1つ忍ばせておくととても便利です。

 

2.ピックアップウォーカー

 

ピックアップウォーカーと言われるとリハビリの人が使うものじゃないの?というイメージがあるかもしれません。

ですが、介助の際の道具としても活躍することがあります。

例えば入浴の際、脱衣所でほどよいところに手すりがない場合。

ピックアップウォーカーをしっかりと支え、使用することにより手すりがなくても立ち上がることが可能な場合があります。

特に在宅の現場では、利用者さんの体調の変化によって歩行や立位レベルに変動がある場合があります。

そういった場合にすぐに手すりを取り付けることは難しいですがピックアップウォーカーであれば一時的に使用することが可能です。

また、ピックアップウォーカーで立ち上がれるかを評価することによってケアマネージャーさんに住宅改修の必要があるのか必要性は伝えることができるでしょう。

ただし、費用的には高額のものも多く、個人レベルで備えることは困難です。

訪問看護ステーションで備品として備え、必要時に持っていくなどの対応は必要かもしれません。

 

3.肘掛け背もたれ付きのシャワーチェア

 

訪問看護では、入浴介助を行うことも多いかと思いますが、毎回入浴介助を行なっていても利用者さんの状態は日々変動します。

そんな日々の変化に対応するためには肘掛け背もたれ付きのシャワーチェアがあると便利です。

なかなか肘掛け背もたれ付きのシャワーチェアを特定福祉用具で購入している利用者さんは少ないです。

シャワーチェアが必要かどうか。

肘掛けが必要かどうか。

それはリハビリ職に評価してもらうことをオススメします。

ですが、その日に状態が少し悪く入浴介助にシャワーチェアが欲しい場合やシャワーチェアではなく、導線上のどこかに椅子が欲しい場合なども使うことが可能です。

肘掛け背もたれ付きのシャワーチェアは椅子の高さも調節できますし、肘掛けや背もたれも使わないで済めばもちろんいいですが、大は小を兼ねます

多機能であればその機能が必要なかったとしてもついている分には安心感が違います。

 

あれば便利だけれど全てを揃える必要はなし!

 

ここまで、訪問看護師が在宅で使えるおすすめの福祉用具についてお伝えしてきました。

 

訪問看護で働くには、これら全ての福祉用具を持っていないといけないの?

 

いいえ、福祉用具は介助をはじめとする仕事内容を楽に行うためのツールであり、福祉用具はなくても介護・介助を行うことができるので大丈夫です。

在宅環境では、利用者さんが必要な福祉用具を購入・レンタルしていることが多いです。

ただ、その福祉用具は利用者さん自身が円滑に安全に生活を送るためのものなため、介護者・介助者にとっては必要なものが違う場合があります。

そういった場合に介護・介助を便利にサポートしてくれる福祉用具をご紹介しました。

自分が苦手な動作や介助、担当している利用者さんに当てはまるような福祉用具を少し足すことによって看護の質・負担は大きく変えられることもあります。

 

まとめ

 

今回は、訪問看護師が在宅で使えるおすすめの福祉用具についてお伝えしました。

訪問看護ステーションに就職すると、ステーションに備品として備えられている福祉用具も多くあります。

福祉用具1つにしても値段は高額なものも多いので、徐々に必要だと感じた場合に備えていくことが大切です。

また、道具は持っていれば良いのではなく使い方が大切であり、馴染みのある道具でないと必要なものを必要な時に必要だと判断することはなかなか難しいです。

ぜひ介護・介助の大変さを諦めず、道具に頼るという方法もあるのだと思い出していただければと思います。

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ABOUT US
あさと 紬理学療法士/福祉用具専門相談員/ライター
東京都在住/認定理学療法士(地域)・福祉用具専門相談員・福祉住環境コーディネーター2級/理学療法士としてデイサービス、総合病院にて勤務後、福祉用具貸与事業所で住宅改修専門の福祉用具専門相談員として勤務。/趣味はダイビング